建築女子のための木造住宅の耐震

先日発生した「平成28年熊本地震」により、甚大な被害が発生しました。

亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、

被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

多くの活断層の上に位置する日本。

私たちの生活は、地震災害の恐怖からは

逃れることはできません。

 

建築にかかわる仕事をしている私たちが

考えなくてはいけないことは、

どんなことがあるでしょうか?

熊本の震災から学ぶことは多く、

この経験を役立てていくことが、

とても大切なことだと、思う毎日です。

 

見渡した室内には、どんなものが置いてありますか?

背の高い家具の固定や、配置、

扉の耐震装置の設置や、避難設備の配置など、

安全を考慮した室内になっているでしょうか?

 

インテリアの提案の際には、

もちろん頭に入れていることでしょうが、

もう一度見直してみましょう。

 

住宅そのものの安全性はどうでしょうか?

住まいが地震の際の凶器にならないように、

出来る限りのことは、配慮したいものです。

 

最近は、リノベブームともいえるほど、

様々な業者が、リノベーションに力を入れる時代になりました。

 

でも、ちょっと待って!

そのリノベーションは安全ですか?

 

特に木造住宅のリノベーションで、

壁を移動したり、柱を撤去する際には、

状況によって、適切な補強を考えることが非常に大切です。

安易なリノベーションは、

住む人の命を守ることにはつながりません。

 

耐震設計においては、ポイントの年があります。

1981年と、2000年

大きく耐震の考え方が変わった年です。

この二つの年を境にして、

建物の耐震に対する基準や補強方法は、大きく変わります。

 

今回の震災でも、倒壊した住宅は、

築年数の古い木造軸組工法の建物が多いこと、

特に屋根が瓦で重たい建物であることがわかります。

耐震

 

提案前にはこの建築年数を調べましょう。

 

1981年以前の建物は、診断の必要性がないと思われるほど、

ほとんどが倒壊する可能性が高いという結論が出ます。

なぜならば、現在求められる基準には、

当時の基準が合致しないからです。

この時代の建物は、

根本的な、耐震について考えなければいけないかもしれません。

 

1981~2000年までの建物の場合は、状況にもよりますが、

比較的軽度な補強工事で、耐震強度が出る場合もありますが、

いずれにしても、現状の建物の、

状況をよく見て判断することが必要です。

図面だけでは、正しい判断はできません。

 

まず、どんなところに建物は建っていますか?

崖地や、もともとの地盤が悪い場所ではありませんか?

基礎はどんな形状になっていますか?

外部から見て、ヒビが入っているなどありませんか?

また、建物自体はどうでしょう?

腐れ、白アリ被害や、雨漏りなどで傷んでいませんか?

 

耐震の数値は目安の一つにすぎません。

まず、目視で、建物の状態をよく見てみましょう。

 

しかし、どんなに強度がある建物でも、

今回のように大きな地震が何度も起これば、

倒壊の危険性が出てきます。

 

当面、私たちの仕事は、

耐震診断をしたうえで、不足している場合は、

適切な補強をご提案すること。

 

耐震2a

 

各自治体では、木造軸組工法の耐震補強に対しての

補助金なども用意されていますので、不安な方は、

まずは、自治体の窓口に相談を

してみると良いでしょう。

 

なお、耐震改修の考え方ですが、建物が、全く損壊しないことを

目的にしているのではありません。

居住する方の命を守ることを目的としているものです。

そのため、倒壊は免れても、震災後住むためには、

改修が必要になる場合も考えられます。

よく理解しておきましょう。

 

地震の後には、建物の損壊状況を確認し、

さらなる危険から人命を守る仕事も必要になります。

これが、応急危険度判定という仕事です。

今回の熊本での震災も、震度7の地震の後に、

早急に、この判定作業が進めば、

多くの命が救われたかもしれません。

 

建物は、命を守る安全なものであることが、大切ですが、

一般に耐震補強は、高額な工事になりがちです。

 

少なくとも、住まいの安全性を知ったうえで、

寝室の配置や、ピンポイントでの耐震補強など、

比較的安価にできる方法を、模索することも、

私たちができることなのかもしれません。

 

大きな震災のあとには、防災に意識が向かいますが、

時がたつと、その意識は薄れがちです。

今回の震災で、また、その意識が高まることでしょうが、

防災意識を持ち続ける努力をして、

安全に暮らしていきたいですね。